保護者の力
こういうことを平気で書くのも、当塾が流行らない一因だとわかってはいるのですが…
生徒を見ていると、昔に比べて、保護者の力が低下したり価値観が変わってきたなあと思います。
親の学歴とか、そういうことを言っているのではありません。
我が子に対して、まず身につけさせるべきものを身につけさせていないとか、我が子のことをよく見ていないとか、そういうことです。
さらに、「志望校に合格する人は、勉強さえすればいいのよ」みたいな親、勉強というものがどういうものかわかっていないのではないか、ということです。
私は「礼儀は大事。そして、人の話をよく聞く。よく見る。しっかり話すことも含め、基本的なことが大事」と思っています。そういう大事なことを身につけさせながら「他者を思いやる気持ちの大切さ」も教えていく必要があると思っています。
礼儀等に関しては、昔は我が子に関係なく、近所の子に対しても注意してくる大人がいました。「悪いことは悪い」と、大人が口出しできました。
しかし今の世の中、何を言われるかわかりません。間違いを指摘しても、それに対してクレームをつける人もいます。
そういう世の中では、子供に対する親の役割は昔に比べて大きくなっていると思うのですが、その点を理解していない保護者が増えているように思います。
志望校に合格した生徒のほとんどは、礼儀など基本的なことに対して注意した記憶がありません。それだけ保護者がしっかりとしつけておられるのでしょう。そしてそういう生徒は、進学後も落ちこぼれることなくしっかりと勉強します。
合格した生徒の中には、礼儀等基本的なことの大切さを説いてもわかってもらえず、「勉強第一」みたいな感じの子もいます。しかしそういう生徒は、進学後に何らかの問題が生じることがほとんどです。
途中で退会する生徒の多くは、礼儀等基本的なことがあまりできませんし、重要性を説いてもなかなかできません。恐らくその生徒の家庭では、そういうことを重要視していないのでしょう。また、保護者が必要以上に我が子を擁護します。まるで「我が子に対して完璧に育ててきた。躾けてきた。」と言わんばかりに。
当然、そうやって自分のわがままがある程度許された子が、素直に育つ可能性は高くないでしょう。
「かわいそうに」とは思うのですが、今の世の中、強くも言えませんし、どうしようもありません。その子の運命なのでしょう。
生徒の人生に全て関われるわけではありません。しかし、かかわっている間は、この生徒が大人になって1人で歩めるように、他人に迷惑をかけないように成長してくれればと思って指導しています。
その関われる期間は親の方が断然長いでしょう。それだけ責任も重大です。
我が子の将来のことを考え、そこからある程度逆算して接する必要があると思います。
今の時代の方が、保護者の、子に与える影響力の割合は増しているのではないでしょうか。
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