自信を持って②

先日の続きです。

私には、中学受験させたい家庭の子どもの中学受験を止めた経験と、中学受験をするつもりがなかった家庭に中学受験を勧めた経験の両方があります。

前者は、ご両親がどうしても中学受験させたく、習い事のバレエもやめさせて勉強に力を入れるというご家庭でした。

家庭教師だったのですが、小5女子の様子を見ていても全然勉強に力が入っている様子はありませんでした。

半年ほどして

「ホンマに中学受験して〇〇中学に行きたい?それてもバレエをしたい?もしバレエを続けたいのに親に言えないなら、代わりに言ってあげるで」

と言うと、

「バレエがしたい」

という返事でした。

そのため、保護者に対して、「お子さんはバレエをしたい、中学受験したくないと言っておられます。バレエをさせてあげた方がいいのではないでしょうか。私はそう思うので、今日で家庭教師はやめます」と言いました。


後者は、保護者が「中学受験をするなら習い事のダンスをやめる、ダンスを続けるなら地元の公立中学校に行く。どちらにする?」と小5の子どもに聞き、「ダンスを続ける」という返事だったので、中学受験の予定はありませんでした。しかし保護者が、中学に入ってからも困らないだけの学力をつけておきたいということで入塾されました。

それまで保護者が我が子の勉強を見られていたので、それなりに学力もあり成績も良かったです。塾では先取りの勉強をしていましたが、スムーズに進められました。

ちょうどその頃、異なる地元の公立中学に通う中学生がいたのですが、中学校の様子を聞いて愕然としました。

1人の中学はいじめらしいことが起こっているのに、先生は見て見ぬふり。

もう1人の中学は、英語の先生が体調不良?で授業をたびたび休んだあげく長期休養に入り、社会の先生が英語を教えているとのことでした。

この生徒の通う公立中学はこの2人の中学とは違うものの、地元の公立中学の惨状を聞くと、「これだけ勉強ができるのに、良くない環境で勉強するのはかわいそう」と思いました。

そこで6年生になる前に、保護者に公立中学の様子を話したうえで、「公立中高一貫校なら、授業料もそれほどかからないので、受験してみてはどうか。もちろん、ダンスに通う頻度は減らす必要がありますが」と勧めました。その結果、公立中高一貫校を目指すことになりました。

秋頃からダンスはほぼストップしましたが、幸い合格!中学入学後、ダンスを再開されました。

無理強い?虐待?ハラスメント?これらはお互いの信頼関係の強弱により変わるものだと思います。保護者が我が子のことを思い、しっかりと見て判断したことに対し、子どもが虐待と感じることはないでしょう。保護者の我が子への愛情がその時伝わらなくても、年月が経てば理解する時がきっと来るはずです。

もちろん、「我が子のことを思い、しっかりと見て、我が子の特徴をつかむ」ことが前提です。「仕事で留守になるから、その間塾に行かせて…」みたいな、目先のことしか考えていないのであれば、うまくいくことはないでしょう。

厚志館

京都の北山と嵯峨嵐山にある個人塾(自習室&中学・高校受験塾)です。 厚志館の特徴は、生徒1人1人にあわせた丁寧な指導と高い分析力。 毎年受験生がいるわけではないので、合格戦績のない年もありますが、総じて合格率は高いです。